決まらないモーターヘッド帝国


「鋼鉄帝国」における世界観の重要性は、言うまでもないところだ。
その為にロケ地の決定には細心の注意が払われた。
特にモーターヘッド帝国のイメージに合う場所は少なく、煮詰められたセットとのギャップもあって、背景技師の Nishiを悩ませ続けた。
結局、3ヶ月の月日を要して.イタリアのリビエラ地方に決定する。
長い長い第一歩であった。

128エイカーの巨大プールに満たされたゼリー
前半のクライマックス、飛行潜水艦との死闘。このシーンの撮影には、128エイカーの巨大なプールを用意した。
おかげで迫力ある舞台が完成するが、実際に撮影が始まると、「波の動きに面白味がない」と、プロデューサーの Tomoらクレームがつく。
試行錯誤の末、水の代わりに青色のゼリー満たして撮影。躍動感あふれるシーンを得ることに成功した。



クラシカルへのこだわり


登場するメカニカル群に注目されたい。
外装は打ち出しの鉄板に、無造作に打ち込まれたリベットを特徴とし、動力源には蒸気機関、あるいは噴出式ロケット以外を厳禁して、クラシカルな雰囲気にまとめ上げている。
このようなところにも、スタッフの意気込みを強く感じる。

原作ファンからの投書が5万通!


文学界の金字塔「STEEL EMPIRE」の映画化である為、制作発表時の反響はすさまじく、世界中の原作ファンから五万余通にも昇る激励の投書が寄せられた。

灰と化す6000機のミニチュア


モデル監修S・H自らの手によって作成された戦闘機のミニチュア、大小合わせて6000機。
その全てが、戦艦ラインハルトが撃沈するシーンで焼却された。
熱心なコレクターが、$500,000の買値を付けたが1機も譲られることはなかったという。

「鋼鉄行進曲」総売上100万枚


開幕と同時に流れ出す「鋼鉄帝国」のテーマ曲「鋼鉄行進曲(邦題)」。
ヒットチャートを駆け上がり、世界で100万枚の大ヒットとなっている。

※スターフィッシュ注
本文は1991年当時のものを引用しています。

担ぎ出された、旧式のカメラたち


ゲルムバーン基地における大空中戦。
このシーンは、220台という大量のカメラによる多元中継によって撮影されている。
このとき、カメラ確保のためにHOT・Bフィルム社では、すでに旧式となって、お蔵入りしていたカメラをも担ぎ出したという。
この旧式カメラの存在が、「鋼鉄帝国」の世界と妙にマッチしているのが面白い。